モラトリアム日記

モラトリアムに忠実に基づいた生活

さてモラトリアム

 

モラトリアム【moratorium】

1 支払猶予。法令により、金銭債務の支払いを一定期間猶予させること。戦争・天災・恐慌などの非常事態に際して信用制度の崩壊を防ぎ、経済的混乱を避ける目的で行われる。

2 製造・使用・実施などの一時停止。

3 肉体的には成人しているが、社会的義務や責任を課せられない猶予の期間。また、そこにとどまっている心理状態。

引用元:

dictionary.goo.ne.jp

 

モラトリアムという言葉を聞いて、人々はどんなことが頭に浮かぶんだろう。

椎名林檎の『無罪モラトリアム』?それとも上記の3にあたるモラトリアム人間

どうやらレミオロメンはモラトリアムという曲を出しているようだけど。

 

www.universal-music.co.jp

 

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今日付けの日経新聞朝刊の『名作コンシェルジュ』というコーナーで

アメリカのドラマの『フレンズ』が紹介されていた。

私が人生で4周回って視聴したドラマは今のところ、このドラマだけ。

3周したのは、『相続者たち』かな。

『フレンズ』は、ニューヨークに住む男女6人が人生の様々な出来事を共に経験したり共有したり、時には対立しながら乗り越えていく様子をシットコムで表現したドラマなのだけど、まさにコーナー中にも書かれているが「若者のモラトリアム」が初期の頃は描かれていたと思う。

最初は定職についていなかったり、25歳か24歳で初めて仕事をする登場人物たちを見ていて、就活が上手くいっていなかった時の自分はちょっと慰められた気持ちになったのを思い出す。

仕事が上手くいき始めたと思いきや、恋人と別れることになったり。

思いがけない相手と恋に落ちたり。よく知らない人と朝を迎えてしまったり。

あるようでないような、ないようであるような人生の事件がリアルに表現されるからこそ、共感できたり、反論したくなったりするのかもしれない。

 

私は今絶賛、モラトリアム中の若者だといえる。

周りの友達はみんな働いたり好きなことをして生きているけど

私はうしろめたさを感じながら好きなことをして生活しています。

両親のお金で生活をし...アルバイトをしているとはいえども、モラトリアムには変わりない。なぜなら自分の力で生活できていないし、そもそもする気がないのだからね。

働こうと思えばいつでも働けるはずなのに、そうしないのには色んな理由があると思うけど

「おい!お前、モラトリアム人間だろう!」

と誰かに言われたときに、それを否定することができない気がする。

だって、私が労働から逃げているのは事実なのだから。

労働ではなく、ものすごく曖昧で複雑な「社会」というものを

分析し、批判し、理解することを今一番やりたいと考えているのだから。

しかし労働から逃れることは、正直なところ難しい。

どうせ1年、2年後には就活をまたやらないといけないのだから。

この2年間で、なんとなくでも自分の道を見つけられたらいいけど、でもさっきの『フレンズ』同様に、人生は何が起こるか分からない。

 

この間Twitterを見ていたら、「あなたのPhDへの道のりを教えて」というツイートに対する引用リツイート

「私は高校中退後、不動産で働き、2年間夜間プログラムで高卒認定をとり、学士を取る勉強をし、シングルマザーになり(子供は2人だったはず)、修士課程に入り、ポスドク助教になったよ」

的なツイートをしている人がいた。学士か修士の時点で32歳だったとのこと。

やっぱり人生は何が起こるか分からないよな。

そう考えると、まだまだ人生捨てたもんじゃないから、このモラトリアムの間に何かを見つけようという希望を少しばかり抱くことができる。